保証と相続の関係

保証人が死んだら

相続とは、被相続人(死んで相続される人)の財産や権利・義務が相続人に引き継がれることです。誰が相続人となるかは民法第886条以下に規定されています。また財産には、消極的な財産、つまり借金も含まれ、原則として保証債務も相続人に引き継がれることになります。ただ保証の種類によって多少異なります。

一般的な特定保証契約(金額が元々決まっている貸付の保証)については相続されます。相続が発生した時点(被相続人が死亡した時)での残元金、利息等と完済までの利息等のみです。一方、根保証契約では、相続が発生した時点での元金、利息等と完済までの利息等を含みますが、合計極度額内という制限があります。以後に発生した貸付金は、例え極度額内でも相続債務には含まれないことになります。

次に身元保証契約では、身元保証された人が、保証人が生きている間に事故を起こした場合の発生した損害賠償債務だけが相続の対象となります。つまり、保証人が死亡した後に、新たに発生した損害賠償債務については相続人は責任を負わなくて良いということです。身元保証契約に似たものとして、アパートなどの賃貸借契約時の保証契約がありますが、保証人の立場は相続人に相続されるという考え方が一般的です。

では、相続人が数人いる場合の保証の相続割合ですが、これは法定相続分の割合で相続します。相続人の一人についてだけ、保証債務を全て引き継がせるということは原則できません。ただ、債権者との話し合いにより、特定の相続人だけに相続させることは可能です。

債務者が死亡した場合

債務者(借主)が死亡し、保証人がいた場合の件です。その債務(借金など)は債務者の相続人が相続します。そして保証債務は、債務者が死亡した時点での元金額と利息及びその後の利息等で確定します。債務者が死亡した後は、一般的には債権者と債務者の相続人が相談して相続人が支払うことになります。ただ、一括払いができなかったり、自営などで今後も融資取引の継続が必要な場合は再度の新しい契約が必要です。

債権者と相続人が話し合って、相続債務について相続人を新しい債務者として契約の書換えをする場合があります。その際には、保証人を代えてくれるよう話し合うことも可能です。保証人を抜け出すことができるかは、新しい保証人がいるかどうかと、その人の信用力、最終的には債権者の判断ということになります。保証人の代わりに、相続人の不動産に抵当権を設定してもらうことも提案してみる価値はあります。特に、自営などで契約を後継者である相続人の一人に書換えする際には、保証人を抜け出すまたとないチャンスです。相保証になっていないのであれば、きっぱりと今後の保証人は断りましょう。