商工ローンと根保証

商工ローンとは

バブル経済が崩壊した平成2年頃以後、銀行が貸出しを控えるようになりました。いわゆる「貸し渋り」というものです。そこで一番困ったのは中小零細企業でした。中小零細企業は銀行などが求める不動産などの担保物件をあまり持たなく、信用力が低かったのです。そのような状況の中で、中小零細企業に対する融資を伸ばしたのが商工ローンでした。主に事業主を借主として、保証人を付けて融資していました。当時の貸付金利は年率40%程でした。

根保証とは

商工ローンで特に問題だったのが根保証契約でした。最初の貸付の際は200万円ほど融資します。その時に根保証契約も結ぶのですが、その契約内容をちゃんと根保証人に説明していなかったり、場合によっては白紙の保証契約書に記入させ、後から商工ローン会社の社員が極度額などを書き足していたようです。その後、例えば1000万円の限度内で債務者に貸し込みます。最終的に債務者が返済できなくなったときに、根保証人に全額一括請求するのです。その時初めて根保証人は、根保証や極度額の意味を知らされるのです。並行して、事前に公正証書を作成しており、裁判などをせずに給料差押えなどの強制執行ができることを伝え、精神的に保証人を追い込みます。このような悪質な法的回収だけでなく、電話回収では「腎臓を売れ」「目ん玉売れ」などの暴言が当り前のように使われていたそうです。

商工ローンの「高金利」「過剰融資」「暴力的取立」はやがて社会問題となり、自殺や蒸発などが新聞紙上に載るようになりました。平成11年以降、この商工ローン問題は国会でも取り上げられるようになりました。その結果として、出資法の上限金利が29.2%に下げられたり、貸金業法の規制が強化されました。しかし、商工ローン会社から不当な追い込みを掛けられ、被害にあった事業主や根保証人などに対する救済はほとんど行われませんでした。

また、当時の大手2社(日○、△△ファンド)は会社名を変更して、今も東証一部に上場されています。では何故、このような悪質な会社を存続させたかと言うと、もし倒産したら更に中小零細企業の資金繰りが悪くなるという予想からのようです。「悪徳であっても、なくなればもっと困る」ということでしょう。それと、これらの会社にたくさん融資している銀行なども困るということもあったようです。